簿記の資格を取得しようといろいろ調べていると
日商・全経・全商と3種類があることに気づくでしょう。
簿記の資格は、1つではなく複数の資格が存在するのです!
私はなんと!知りませんでした (^^;
では、この3種類の検定はどのような違いがあるのでしょう。
大きな違いな主催団体によって異なり、出題範囲や主な対象者・難易度が違います。
この記事では、日商・全経・全商の違いと、一般の社会人が就職活動に役立てるにはどれを選べばいいかを解説します。
簿記の資格は3種類
この3種類の簿記検定にすべて受験資格はありません。
しかし難易度や履歴書に書いたときの一般的な評価に違いがありますので、目的に合った検定を選んでください。
日商簿記
【主催団体】日本商工会議所
【難易度】3種類の中で一番高い
一般的に簿記=日商簿記と認識している人が多い知名度の高い資格。
2021年の就職に役立つ資格・検定ランキングでは「日商簿記検定」が第一位というデータがあります。
2021年版「就職に役立つ資格・検定ランキング」の第1位に選ばれたのは日商簿記検定!ビジネスの基礎ともいえる「企業内のお金の流れ」を学べることはもちろん、2020年末には全国約100カ所以上(2021年1月時点)の会場でいつでも受験できるネット(CBT)試験が開始されたことも1位選出の理由となったようです。
引用元:日本の資格検定 就職に役立つ資格・検定TOP30 2021
この記事からもわかるように「日商簿記」であるということから、就職や転職のアピール力を考えたら日商簿記を選択してください!
初級から1級まであり、試験範囲は商業簿記と工業簿記が中心です。
1級に合格すると税理士試験の受験資格が得られます。
全経簿記
【主催団体】全国経理教育協会
【難易度】3種類の中で中間
主に経理の専門学校に通う学生の方が受験しています。
全経の「上級」に合格すると税理士試験の受験資格が得られることから、一定数税理士を目指す方が受験されています。
簿記1級を受験するよりも合格率は高いのですが、「上級」は難しい検定に違いはありません。
税理士受験資格を得ることが目的であっても、「日商簿記1級」を「全経簿記上級」を両方受験することを検討してもいいでしょう。
全国経理教育協会のWebサイトを見ていただくとわかるように、
簿記検定以外にも社会人として役立つ検定をたくさん実施しています。
全商簿記
【主催団体】全国商業高等学校協会
【難易度】3種類の中で一番低い
商業高校に通う高校生のレベルアップが目的の資格です。
学生の時に取得した人もいるのではないでしょうか。
全商簿記の資格を履歴書に書けないわけではありませんが、日商簿記より認知度が低いのので、
周りから実力通りの評価をしてもらえない可能性があります。
それはもったいないです!
就職・転職に役立てたいのであれば、学んだ知識を生かして「日商簿記」の資格も取得することをおススメします。
比較
3種類の各級のレベルと平均的な合格率を一覧にしてみました。
この表からもわかるように「日商簿記」が一番難易度が高くなります。
レベルは日商簿記2級=そのほかの1級、日商簿記3級=そのほかの2級 と考えてください。
レベル別合格率一覧 | 日商簿記 | 合格率 | 全経簿記 | 合格率 | 全商簿記 | 合格率 | ||
1級 | 約10% | 上級 | 約20% | ― | ― | |||
2級 | 約30% | 1級 | 会計 | 約20% | 1級 | 会計 | 約40% | |
工業 | 約60% | 原価 | 約60% | |||||
3級 | 約40% | 2級 | 商業 | 約35% | 2級 | 約60% | ||
工業 | 約85% | |||||||
初級 | 約40% | 3級 | 約70% | 3級 | 約60% | |||
― | ― | 基礎 | 約65% | ― | ― |
ここに示した合格率は平均的なもので、実は開催回によってだいぶ開きがあります。
例えば、2020年度の日商簿記3級合格率で比較してみると第156回(2020年11月)47.4% 第157回(2021年2月)67.2% 日商簿記2級においては第156回(2020年11月)18.2% 第157回(2021年2月)8.6% と開きがあります。
もう、こればかりは運というしかありません。
就職・転職に資格を活かしたいなら日商簿記3級以上を目指そう!
「経理の経験がある」といっても、会計ソフトに入力したことがあるだけで、簿記の知識は3級にも満たない人もいるでしょう。
私の個人的な意見ですが、資格とは他の人から見てどのくらいの知識があるのかの目安だと思っています。
上記で説明した3つの検定の中でも、社会人が転職やスキルアップのために簿記の資格を取ろうとしているのでしたら、まずは知名度の高い「日商簿記3級」の取得をおすすめします!
初級もあるのですが履歴書に書くなら、こちらは飛ばしていいでしょう。
経理職など専門分野で即戦力を求める企業は応募条件が「日商簿記2級」のことが多いですが、アシスタントとして、または派遣や契約社員の募集なら「日商簿記3級」のところもあります。
また、3級レベルで企業の財務状況が理解できるようになるので、経理職ではなくても仕事に活かせる機会があるはずです。
ここまで一般的な社会人が就職・転職に資格を生かすならという目線でまとめましたが、学ぶということは自分の知力を高めることになるので、何の資格でも取得することは無駄ではありません。
ぜひ、資格取得に挑んでみてください!